田中一村のラベルを鑑賞しながら飲む黒糖焼酎『奄美の杜』
更新日:2024年12月2日

「田中一村」という画家が描いた絵をラベルにしている黒糖焼酎がある。絵は「奄美の杜~ビロウとアカショウビン」とタイトルされた1962年頃の作品。
栃木県で生まれ、50歳の時に奄美大島に渡り、大島紬の染色工として働きながら絵を描いた。1959年に知人に送られた手紙には、「絵かきとしての生涯の最後を飾る絵をかくために奄美大島へ移り住んだ」とある。
異端の画家、孤高の画家などと言われるが、1995に開催された展覧会で観たたくさんの絵の中でも、「ビロウとアカショウビン」ほかアダンやクワズイモなどの植物や鳥や昆虫を描いた絵は印象深かった。亜熱帯地方の明るさ以上に、その明るさによって生まれる深い影を訴えかける。

黒糖焼酎は、鹿児島から南370km離れた奄美大島から沖縄までの8つの有人島で造られた焼酎だ。原料は黒糖なので、甘い香りが一番の特徴だが、近年は減圧蒸留という手法を取り入れて、スッキリ飲みやすい製品も生まれている。
町田酒造が造る『奄美の杜』も減圧蒸留によるもので、焼酎を飲まない人に敬遠されがちなクセがなく、アルコールの強さも感じない。奄美の美しい島々の自然を想いながら、オンザロックでいただくのがいいだろう。
※黒糖焼酎に関して、くわしくは
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