本格焼酎・

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飲み比べが楽しい!
原料×製法で、こんなにも違う

お酒は、製造方法によって「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の3つに大別される。

 

日本の醸造酒の代表は、日本酒、ビール、ワイン。アルコール度数は4%〜15%程度で、最高でも20%までだ。蒸留酒の代表は、焼酎、泡盛、ウイスキーで、アルコール度数は20%〜40%前後。そして混成酒は、醸造酒や蒸留酒に果実や香料、甘味料などを加えたもの。代表的なお酒は梅酒やリキュールで、第3のビールや缶チューハイも含まれる。

 

歴史的には醸造酒が最も古く、縄文時代の遺跡から酒造に使われたとみられる土器が出土している。もっともまだ稲作が伝来していないころなので、今の日本酒とは違う。しかし、奈良時代の宮廷行事にお酒を醸して奉納された記録があり、平安時代にはすでに今日のような日本酒醸造の基礎が完成していたようだ。

一方、蒸留の技術が日本に伝わったのは15世紀後半から16世紀初頭とされ、中世にアラビアあたりで開発された蒸留器「アランビック」がアジア大陸を横断して、いよいよ日本へやってきたのである。そのルートには諸説あり、ひとつは中国から朝鮮半島を経て壱岐(長崎)へ来たという北方ルート説。もう一つはシャム国(タイ)から琉球に伝播し、そこから薩摩(鹿児島)へ伝わったという南方ルート説。

後者が有力とされているのだが、その理由は、沖縄で造られている泡盛の原料にはタイ米が使われていることと、当時、琉球と薩摩は親交があったことだ。本当にそうかもしれないけれど、かつて泡盛は地元や中国産の米で造られていて、タイ米を原料にするようになったのは1900年代に入ってから。だから理由としては正しくない。

それに、16世紀初頭の鹿児島で造られていたのは米焼酎で(サツマイモはまだ伝来していない)、酒造工程では日本酒造りに使うのと同じ黄麹菌を使っていた。この黄麹菌は熱に弱く、温暖な鹿児島では腐造の大きな要因となった。でも琉球では当時から熱に強い黒麹菌を使って泡盛を造っていたわけで、琉球から蒸留技術が伝わったのなら、なぜ黒麹菌も一緒に伝わらなかったのだろう?

こんな謎があるのもお酒の楽しさなので、そのへんは研究者におまかせするとして、ここからは日本の蒸留酒の多様性についてふれていきたい。

蒸留酒を造るには、まず麹+主原料を酵母の働きで発酵させてアルコール液を醸造する。これを熱すると水分よりも先にアルコール分が気化しはじめるので、その蒸気を冷却して再び液体に戻すと、もとの液体よりもアルコール濃度の高い蒸留酒ができるのである。

 

その蒸留方法は、15〜16世紀に伝わったのと同じシンプルな構造の「単式蒸留」と、19世紀に開発された工場的な「連続式蒸留」がある。単式蒸留器で蒸留されたものは「本格焼酎・泡盛」と呼ばれ、原料に由来する味わいが特長で、アルコール度数は45%以下。連続式蒸留機で蒸留されたものは「甲類焼酎」と呼ばれ、原料に由来する味わいやメーカーによる味わいの違いもほとんどなく、アルコール度数は36%未満と決められている。

<焼酎・泡盛のいろいろ>

■麦焼酎

主原料/大麦まれに小麦 麹原料/米または大麦 麹菌/白麹または黒麹

麹のつくり方、蒸留方法、貯蔵方法の違いによって、多彩な味わいが広がる。

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■芋焼酎

主原料/サツマイモ 麹原料/米またはサツマイモ 麹菌/白麹または黒麹、黄麹

サツマイモの品種、麹菌や酵母、蒸留方法、貯蔵方法によって味わいが異なる。

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■米焼酎

主原料/うるち米 麹原料/うるち米 麹菌/白麹または黄麹

減圧蒸留によるスッキリとした米焼酎が主流。吟醸酒のような香りもある。

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■黒糖焼酎

主原料/黒糖 麹原料/インディカ米 麹菌/白麹または黒麹

奄美群島だけで造られ、ラム酒のような香り。蒸留や貯蔵で味わいが異なる。

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■琉球泡盛

主原料/米麹 麹原料/インディカ米 麹菌/黒麹

原料のすべてを麹にして仕込み、単式蒸留。甕で長期貯蔵し、古酒を育てる。

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■変わり種焼酎

原料/ソバ、ゴマ、栗、しそ、ジャガイモ、人参、酒粕など

国税庁長官が指定するもの以外は使えないが、全国に個性的な本格焼酎がある。

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■甲類焼酎

原料/トウモロコシ、その他の穀物

原材料や麹菌に指定はなく、穀物の発酵液を連続式蒸留機でなんども蒸留する。

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