琉球泡盛

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琉球王国から受け継がれてきた泡盛は、
すべての本格焼酎のルーツだ

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沖縄酒場のカウンターに、「琉球泡盛」の一升瓶が30種類ほど並んでいた。ラベルには漢字で銘柄が書かれていて、パッと見は本格焼酎に似ているけど、エキゾチックな絵柄や派手な色使いがいかにも南国を感じさせる。スピーカーからは、BEGINの島唄。気分は一気に沖縄へトリップだ!

 

泡盛は米麹と水だけを原料にして造られる蒸留酒。沖縄県で造られたものだけが「琉球泡盛」と呼ばれる。原料の米は、主にタイ米。インディカ種の細長い米だ。黒麹菌を使って米麹を造り、水と酵母を加えて仕込む。本格焼酎のように麹と麦や芋や米といった主原料で仕込むのではなく、全量を麹にして仕込むのが特徴である。

 

 

 

 

蒸留には原料の風味が残る単式蒸留を行うので、泡盛には独特の香りや味わいがある。人によっては、その香味を嫌うことがあるかもしれない。それでもここ数十年で、ぐっと飲みやすくなったらしく、沖縄の年配者に聞くと、昔の"シマ酒"はもっとクセが強かったという。近年は、国産米を原料にしたもの、吟醸酵母を使ったもの、減圧蒸留したものなどいろいろあって、すっきり飲みやすい泡盛も増えてきた。

でも一升瓶で売られている泡盛の多くは、蔵元が古くから造ってきた銘柄で、泡盛らしさはもちろん、その蔵ならではの味わいをしっかり継いでいる。沖縄酒場にずらりと並んだ泡盛は、ひと通り味わった。アルコール度数30度。その店では、ロックで注文すると琉球ガラスの美しいグラスになみなみと注がれたので、いっぺんにそう何杯もは飲めなくて、ずいぶん通うことになってしまったのだけど…笑。

 

本場沖縄では、あまりロックで飲んでいるのを見ない。どうやって飲むのが一番おいしいのか。ひとつの例は、こうだ。

 

一升瓶を開けたら、半量を空の一升瓶に移し、両方を水で満たして2本にする。一升瓶に入った一般酒の泡盛は、アルコール度数が30度なので、水で薄めて15度の一升瓶が2本できたわけだ。これを、日が暮れたら浜辺へ持ってって、みんなでゆんたく(おしゃべり)しながら飲む。興が乗ったところで誰かが三線を持ち出してきて、あとはもう夜がふけるまで唄えや踊れとなる。

石垣島でお世話になった海人(うみんちゅ)の宿では、新しい一升瓶を開けたときに必ずやることがあった。親指の腹で瓶の口を押さえ、もう一方の手で瓶の底をつかんで傾け、土間に向けてピュッと泡盛を撒くのだ。無口な主人は、そうすることにどんな意味があるのかなにも説明しなかったけど、清めているのか、神様への感謝なのか、なんとなく察しがついた。

離島の民宿などに泊まると、夕食のあとのテーブルに泡盛がどーんと置かれることがある。オジィの昔話などを聞かせてもらいながら飲んだり、泊まり客みんなでワイワイやったり、宿の主人が三線を弾きながら唄う沖縄民謡を聴きながらなんてことも。そして驚くことに、こういった泡盛はほとんどが宿のサービスで、別料金を請求されないことが多かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静かにじっくり味わいたいなら「古酒(クース)」がおすすめ。全量3年以上貯蔵してあることが古酒の条件なのだが、3年なんてまだまだ若造で、5年10年ものもふつうに流通している。国際通りのみやげもの屋に並んでいる720ml入りの上等な泡盛は、たいてい古酒だ。第二次世界大戦によって失われてしまったが、戦前には100年を超えるような古酒が各家庭にあって、家宝として賓客に振るまわれていたという。

 

ステンレスタンクなんてない時代。貯蔵には大きな南蛮甕を用いた。いくらなんでも100年も貯蔵したら、蒸発して空っぽになってしまいそうだが、それを可能にしたのが「仕次ぎ」という技だ。沖縄県酒造組合のウェブサイトにある解説を引用させていただこう。

 

”年代物の古酒にそれよりは少し若い古酒を注ぎ足すことで、古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら、酒を劣化させないようにする手法です。名家では年代物の泡盛古酒の甕を古い順に1番から5番、6番まで用意したといいます。1番甕から最上の古酒を汲み取ったら、その減った分をそれより若い2番甕から注ぎ足し、2番甕には3番甕から……というふうに、どんどん循環させます。”

 

なるほど。こんな方法で古酒の香味を守り、逆に深めながら、その量も減らさないようにしていたのか。まさに家庭で古酒を育て、子や孫、ひ孫へとわが家の酒を継承していったわけだ。

 

そもそも泡盛には、どれくらいの歴史があるのだろう?沖縄で泡盛が造られはじめたのは、琉球王朝時代の15世紀初頭とされている。交流が盛んだったシャム国(現在のタイ)から蒸留酒がもたらされ、その製法にならって造られたという。

あ!だからタイ米を使うのか!と思ったら、それは違った。タイ米が原料として定着したのは1900年代に入ってからで、それまでは沖縄産ほか中国や韓国の米が使われていたようだ。また、アワ(粟)も使われていて、それが「泡盛」の名前の由来という説もある。

 

この泡盛の製造技術は、沖縄にしかなかった黒麹菌も含めて、また海を渡り、薩摩へと伝わった。そうして、鹿児島で本格焼酎が造られることになったのである。本格焼酎のルーツは泡盛であり、そのルーツをたどれば中世に中東で生まれたアランビック蒸留器。アジア各地でアラックという蒸留酒を生みながら東へ東へと伝播し、ついにアジアの東端まで到達したのだ。なんか壮大なドラマを感じません?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

琉球王朝時代、泡盛造りは王府によって管理され、首里の限られた地域でのみ許可されていた。現在は、本島から宮古・八重山地方まで沖縄全土に47の酒造所が広がっている。そのなかで一風変わっているのが、与那国島で造られている「花酒」だ。

製法は泡盛と同じだが、蒸留の初期の濃厚な部分だけで造られており、原料に由来する香味やアルコール度数がとても強い。アルコール度数45度以下と定められた泡盛の定義を超えて、60度以上あるため、酒税法上は泡盛ではなくスピリッツに分類され、つい最近まで「原料用アルコール」と表示しなければならなかった。

原料用って、それ、飲んじゃいけないみたいじゃないか!そんな法律やめてよ!という声はかねてから当然あった。それが2020年4月にようやく実り、例外表示として花酒も「琉球泡盛」と表示できるようになった。よかったよかったである。

泡盛には、やはり沖縄料理が合う。1杯目は、ミミガー(豚の耳の皮)かチラガー(顔の皮)のポン酢あえをつまみながら水割りで。2杯目は、ラフテー(豚の角煮)かゴーヤーや麩のチャンプルーを食べながら、さっぱりとさんぴん茶(ジャスミン茶)割り。島らっきょやモズクの天ぷら、海ぶどうも食べたいな。

さっと締めるなら沖縄そばだけど、だらだら飲むなら、豆腐よう(豆腐の発酵食品)を爪楊枝でちびちび崩しながら泡盛をロックでやりたい。琉球ガラスのグラスだとなおいいね。

■取材協力
沖縄県酒造組合

https://okinawa-awamori.or.jp

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【おすすめ泡盛】

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カリー春雨
宮里酒造(那覇)

海洋博やサミットでの提供酒として選ばれた酒。カリーは縁起がいい、めでたいの意。古酒のようにまろやかで、米の旨みとバニラのような甘み。

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北谷長老
北谷長老酒造(北谷)

1848年に首里で創業した玉那覇酒造を前身とする老舗。味がブレないことを大切に、少量生産に徹す。古酒も多い北谷長老シリーズの入門一般酒。

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白百合
池原酒造(石垣)

住宅街に建つ赤瓦屋根の酒造所。洗米から蒸留まで全行程を手作業で行っている。土のような匂いが独特で、クセの強さゆえコアなファンが多い。

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珊瑚礁5年古酒

​山川酒造(本部)

美ら海水族館のある本部の海をイメージしてリニューアル!炊きたてのご飯のような香りとまろやかな口当たり、やさしい甘みが特長。5年古酒

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海乃邦15年古酒
沖縄県酒造協同組合(那覇)

45の酒造所からなる組合のフラッグシップブランド。厳選した原酒だけを15年の歳月をかけてじっくり熟成。賓客のもてなしに、贈り物に。43%

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どなん

​国泉泡盛(与那国)

与那国島だけで造られる花酒。泡盛と同じ製法だが、蒸留初期の濃厚な液体だけを集めているためアルコール度は60%。クバの葉が巻かれている。

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飲み比べセット

​5つの酒造所(石垣)

石垣島の有名泡盛5種セット。味わいが違うので飲み比べが楽しい!ラベルもコレクションしたくなる、レトロなデザインの3合ビン(600ml入)。

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瑞泉 古酒
瑞泉酒造(那覇)

大甕で熟成させた3年古酒をシュロ縄巻の壷に。時とともにさらに熟成が進み、その香りとコクが深まる。大切な記念日の祝い酒に最適。一升入。

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​久米仙酒造(那覇)

低温発酵と減圧蒸留により、従来の泡盛とは違う軽快でまろやかな味わいに。果実のような香りとスッキリした甘さで、泡盛のイメージを一新!

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よっかこうじ
忠孝酒造(豊見城)

通常2日で造る麹に4日の手間暇をかけた常識破りの造り。香味成分が豊かに引き出され、洋梨のようなフルーティで華やかな味わいが生まれた。

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うでぃさんの酒

​宮の華(伊良部)

原料は無肥料・無農薬・無堆肥の熊本県産ヒノヒカリ。日本米ならではの芳ばしい香りとスッキリした味わいが特長。女性杜氏が造る美しい泡盛。

泡盛好きなら絶対ほしい!バックプリントがカッコイイ!

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